重症心身障害児施設での看護師の仕事とは

重症心身障害児施設とは、重度の知的障害や言語障害、肢体不自由などのある方を対象に適切な医療ケアと生活支援を行う施設のことです。

自分で体を動かすことができない方が多いので、看護師は主に毎日の食事や着替え、排泄の介助といった業務を行います。また、呼吸障害を抱えている患者に対しては、呼吸管理や吸引や吸入の施行などに対応。その他にも、機能性イレウスの患者には排便コントロールや嘔吐予防、排尿障害がある患者には排尿バルーン管理、導尿を行うことも求められます。

さらに、急な発作・てんかんが起こった際は通院の付添いも大切な仕事です。多岐にわたって業務を任せられることが多いので、高度な医療知識や技術を兼ね備えていることが大事です。

重症心身障害児施設の看護師として働くうえで最も重要視されるのは、観察力です。施設に入居している障害児のほとんどは、スムーズにコミュニケーションを図ることができません。何か異常を感じたとしても、それを上手く言葉で伝えることができないのです。したがって、常に障害児の様子や表情を観察して、求めていることを読み取る必要があります。

また、重症心身障害児施設で勤務する看護師は、障害児の家族と良好な人間関係を保っていくことも大切です。家族の中には障害児の看護によって精神的に疲れてしまう人も多いでしょう。そんな時に、優しい言葉をかけたり、話を聞いたりするなど、思いやりのある対応が重視されます。